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東京カメラ部10選が体験PG2401PTスペシャルインタビューwith 福田悟さん

―― まずは普段レタッチで、使っているディスプレイについて教えていただけますか。

2種類ありまして、ひとつはデスクトップPCに30インチのディスプレイを2台つなげて使っています。これはハードウェアのキャリブレーションには対応していなくて、ソフトウェアでキャリブレーションして使っています。あともうひとつが、24インチのハードウェア・キャリブレーション対応ディスプレイと、安い24インチディスプレイ2台をノートパソコンつないでいます。
デスクトップPCに繋いでいる30インチのディスプレイは10bitパネルを搭載するなど色域も広く、ソフトウェア・キャリブレーションとはいえ、かなり色はきれいで、解像度も高いです。ただ、今はデスクトップPCの調子が悪くて、あまり使ってなく、ノートパソコンの方がメインになっているという状態ですね。
ノートパソコンはハードウェア・キャリブレーションを行っている24インチディスプレイをレタッチ用に使い、もう一台のディスプレイにはメールソフトやブラウザを表示するといった使い方をしています。ただ、このレタッチ用のディスプレイは購入してから、7年ぐらい経っていて、ちょっと色ムラが出ていたりしていたので、今回、このレタッチ用の24インチディスプレイをBenQの「PG2401PT」 と取りかえて使いました。

―― BenQの「PG2401PT」を使ってみて、最初の印象はいかがでしたか?

元のレタッチ用ディスプレイはVAパネルで、バックライトもCCFL(蛍光管)なんです。なので、BenQの「PG2401PT」に変えて最初に気づいたのは、落ち着いて見えるということでした。比べて見て前のディスプレイは若干ではありますが、ギラついていたんだなと感じました。色に関してはどちらもハードウェア・キャリブレーションをきちんと取っているということもあり、それほど大きな差は感じていませんが、「PG2401PT」は白もしっとりとした表現ができますね。
また、ディスプレイ全体で均一な色を表現できること、そして階調の表現能力は明らかにいいですよね。前のディスプレイは8bitパネルだったので、グラデーションの階調表現が、弱かったんです。グラデーションが、バンディング(帯状の濃度ムラ)みたいな見えてしまって、これが単にディスプレイ側の階調表現の限界なのか、写真データが破綻してそうなってしまったのか、わからないということが多かったんです。その確認のため、ほかのディスプレイに写真を写しだして、破綻しているとわかったら元データからやり直し、なんてこともしていましたが、BenQの「PG2401PT」だと、ちゃんと破綻しているかどうかがわかるので、画面を信頼しながら画像処理ができますね。

―― ハードウェア・キャリブレーション対応しています

BenQの「PG2401PT」が到着して、すぐにキャリブレーションは実行しました。自分はあまり写真をプリントすることは少なくて、写真の大半はWebにアップしています。それだと表示するディスプレイの性能や表示バイト数で写真は変わってしまう。ほとんど自分の思った通りには見てもらえないんですね。だからこそ、ハードウェア・キャリブレーションに対応したディスプレイ使うと、自分のスタンダードになる色が決められると思っています。見るディスプレイによって色が変わるとしても、ハードウェア・キャリブレーションを行ったディスプレイなら、絶対的な信頼をもって、写真の現像ができますね。

―― CMYK色域100%カバー / Adobe RGB99%カバーの色再現性を実現しています

やっぱりAdobe RGBに対応したディスプレイは、グリーンやブルーが表現の域が広いと感じますね。風景写真の現像ではブルーやグリーンの表現がすごく大事ですので、そういった意味で安心できます。前のディスプレイではそのあたりの色の表現も階調が飛んでしまったように見えることもあったので、BenQの「PG2401PT」の色域の広さには助かってますね。

―― 14-bit 3D LUT デルタE≦2の高い色再現性能を実現しています。

以前使っていたレタッチ用ディスプレイは8bit表示だったので、10bit表示のパネルになって、色域も広がり、階調表現がすごくなめらかになりました。また、色を決めるのが早くなりました。あと、加工していくうちに階調が破綻して作業が戻るみたいなこともなくなりましたね。
パネル性能とは直接関係しませんが、バックライトがCCFLから、LEDに変わったことで色表現が落ち着くのが早くなりましたね。CCFLの頃は電源を入れてから30分ぐらいは色が落ち着かなかったんですが、BenQの「PG2401PT」はLEDバックライトなので、色が早く安定しますね。
あと、写真とは関係ないのですが、仕事でもちょっと使いました。CADの設計図ではいろんな色の線が引いてあるのですが、発色がいいからラインがスゴくきれいで見やすかったですね。

―― 専用のキャリブレーションソフトウェア「Palette Master」の印象はいかがですか。

届いてすぐノートPCと接続しましたが、トラブルことなくスムーズに使えました。前のディスプレイで使っていた機器とは異なりましたが、画面の指示に従って設定していくだけなので、特に難しいこともなかったですよ。

―― エルゴノミクスデザイン(高さ調整, ピボット, 環境センサーなど)や、遮光フードについていかがでしょうか。

前に使っていたディスプレイにもフードが付いていたんですが、写真加工をするディスプレイには必須ですよね。また、今回、フードも含めて非常に簡単に組み立てられました。マニュアルなどを見なくてもできましたね。もちろん、チルト機能や、高さ調整機能も便利ですね。僕はこのディスプレイの前にノートPCを置いているので、高めにして使っていましたね。

―― BenQ「PG2401PT」を使った上で、欲しいディスプレイの条件について教えていただけますか。

まず、ハードウェア・キャリブレーションですね。そもそも、ソフトウェア・キャリブレーションだとPC側でコントロールするので、ディスプレイの性能を100%使えないですよね。表示できる色を制限してるわけですからね。そういった意味でやはり、ハードウェア・キャリブレーションは大切だと思っています。あとはノングレア。グレア(光沢)液晶は使いにくいですからね。細かいこだわりで言えばアスペクト比は16:9ではなく、16:10がいいですね。
昔から設計の仕事やっていて、プレゼンテーション用の写真とか、パースとかCGとかにディスプレイを使っていて、自然とディスプレイは、お金の許す限り、いいものを使わないとだめだなと思っています。ただ、CGやCADと写真では求める性能が違いますね。解像度の高いディスプレイもいいですが、写真にはなによりも、色をちゃんと出せることが大切ですね。その色がすべての基準になりますから。
カラーマネジメントディスプレイとして見ると、BenQ「PG2401PT」はすごく手頃な値段ですよね。決して高ければいいわけじゃない。プリントしたときの色あわせとかは昔から困っていまして、そういう意味でも、色の基準にできるディスプレイを選びたいですね。BenQ「PG2401PT」は個人的にも買いたいなと思っていますし、一眼レフを使って写真を撮っている方にはおすすめできますね。

福田悟さん作品集

東京カメラ部10選プロフィール:福田悟

東京都出身、神奈川県在住。
カメラ歴は長いが、年に数回、紅葉や桜、富士山を撮りに行くだけで、人に見せたりコンテストに出すでもなく、単に撮りためるだけのオヤジ趣味。ここ数年は撮影にも殆ど行かなくなっていた。
昨年11月に人に勧められるまま、初めて東京カメラ部に写真を2枚投稿したところ、両方とも10選に入ってしまうという奇跡で、カメラ人生が大きく変わる。撮影も好きだけど、自分のイメージの色を創り上げていく画像処理が命と思っている。 最近、風景以外にもちょっと興味が出てきたところ。

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